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乾燥肌対策に保湿以外の選択肢を紹介

nanairo

乾燥肌の治療と言えば保湿剤ですよね。お風呂上りの保湿は乾燥対策に必須かと思います。
一方で、漢方薬が乾燥肌対策になるイメージってありますか?そもそも飲み薬が乾燥肌対策になるイメージも湧きにくいですよね。
今回は、漢方の世界での乾燥肌の考え方や、乾燥肌対策に使える漢方薬を紹介します。

乾燥肌の考え方

漢方的には、肌が乾燥するのは全身に血液をうまく送れていないと考えます。
これを『血虚(けっきょ)』といいます。
つまり全身に血液をしっかり送り届けることができれば乾燥症状を緩和できると考えられますね。

血虚は血液を補うことで治療し、これを補血(ほけつ)といいます。
この補血の代表的な漢方薬が四物湯(しもつとう)です。

四物湯の構成生薬はトウキ・シャクヤク・センキュウ・ジュクジオウ

四物湯を単独で使うことは多くないですが四物湯をベースに作られている漢方薬がたくさんがあります。

四物湯の特徴

・血液の質や流れを改善する
・ジオウが胃腸に負担をかけやすい

血液の質や流れを改善することで全身に栄養がいきわたり皮膚の乾燥を防ぎます。
また、ジオウという生薬が使われていてこれが胃腸に負担をかける可能性があるので注意が必要です。
さらにシャクヤクとトウキも胃腸障害の原因になる可能性があるので、四物湯は漢方の中でも胃腸障害に気を付けないといけませんね。

続いて四物湯をベースとした漢方薬を紹介します。

当帰飲子(とうきいんし)

まずは当帰飲子という漢方です。

当帰飲子の構成生薬は四物湯+シツリツ・ボウフウ・ケイガイ・オウギ・カシュウ・カンゾウ

主に乾燥と痒みを伴う皮膚症状に使用します。
イメージで言うと、高齢者のように皮膚が乾燥して痒みが出るような症状が向いています。前述したように、胃腸に負担がかかりやすいので注意が必要です。

温清飲(うんせいいん)

続いて温清飲という漢方です。

構成生薬は四物湯+黄連解毒湯(オウレン・オウバク・オウゴン・サンシシ)

当帰飲子よりも炎症が起きている症状に効果的です。
湿疹の度合いがひどく赤みが強い場合は当帰飲子よりも温清飲が良いでしょう。

ちなみに、湿疹がさらにジュクジュクしてしまっているような場合は消風散(しょうふうさん)がおすすめです。 

当帰飲子と温清飲の使い分け

乾燥が強く、痒みを伴い、湿疹の赤みが強くない場合は当帰飲子が向いています。
乾燥も痒みもあるけれど、繰り返してしまうような赤い湿疹があれば温清飲が向いています。
ただし、このように完璧に一致しないことも多いので以下をメインとして考えると良いでしょう。

当帰飲子と温清飲のざっくり使い分け

・乾燥肌で痒みが辛い→当帰飲子
・湿疹が辛い→温清飲

さらにざっくり分けると、乾燥肌を前提として基本は温清飲、湿疹がない場合や赤みがほぼない湿疹の場合は当帰飲子と分けておくといいかもしれません。

まとめ

冬になると皮膚の乾燥が酷くなります。
乾燥肌の方にとって保湿剤は必須ですが、その保湿剤と合わせて漢方を試してみるのもいいかもしれません。

ABOUT ME
岡野健太
岡野健太
けん@オンライン薬剤師
ドラッグストアに10年間勤務し調剤と市販薬販売を経験。現在はSNSやサイト運営、漢方相談を行いオンライン中心に皆様の健康をサポートしています。
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